本日の第1575回経営者モーニングセミナーは、㈱ヤマナカ 代表取締役社長 高田 慎司様を講師に『宮城県の水産業が抱える課題』というテーマでご講話をいただきました。

我が国の漁獲量は、ピーク時から比較すると現在3分の1まで減少しており、北米や北欧は今や『成長産業』として進展するのに対して日本の水産業はその反対であることを危惧しています。
その背景にはノルウェーサーモンなどの『養殖漁業』の席巻が大きい要素のひとつだと言います。
宮城の水産業もまた漁業人口が激減。特にカキ漁に照準を当ててみると、低所得というイメージによる後継者不足に加え、オートメーション化出来ないカキ殻をむく『むきこ』と呼ばれる人材の不足などが震災以降、顕著になっているそうです。
その様な中、ホタテの稚貝放流と徹底した資源管理を実現させ、全国平均所得ランキング3位に登りつめ、驚異の経済発展を遂げた『猿仏村の奇跡』の事例を紹介されました。
高田社長は、輸入大国ニッポンから海外マーケットへ方向転換するそのビジネスモデルを基盤としながらも『宮城オイスター』のブランド化の推進に尽力。海外市場向けのカキの養殖に現在取り組んでいます。
注目すべきはカキが干潮時に空気にさらされる『潮間帯養殖』を採用。ストレスを与える事により生命力が強く、殻つきのカキでの流通が出来るとの事。貝柱は大きく、貝殻の密閉率も高まるそうです。
『課題解決型』という次世代フェーズのビジネスモデルを語る高田社長の姿に、前述した課題から成長産業へ移行したいという強い思いが感じられました。

本日の参加者は会場23名、ZOOM参加13名、計36名の方が参加されました。
次回は仙台中央倫理法人会 宮城CA副委員長 ㈱乾杯・KANPAI 代表取締役 松尾 公輝様を講師に迎え、『母の認知症から学んだビジネスの心得・経営の肝』というテーマでご講話をいただきます。